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【第四回定例会報告①】拙速かつ唐突な図書館廃止条例案に対し引き続き慎重な調査が必要と判断 全会派一致で審査継続を決定

今定例会に渋谷区内に10か所ある区立図書館の一つ、渋谷区東にある渋谷図書館の廃止条例案が提出されました。今年5月に建物地下にある空調設備が壊れ、古い設備のため部品なども製造停止となっており、修理して使うことが難しくなったことから、この夏は短時間での利用など限られた営業となり、現在も予約した本の受け取り、返却のみのサービススポットとして運営されています。

しかし、そのような状況にあったことはこれまで議会に報告もなく、また今回文教委員会の視察で、空調の他、建物の雨漏りなどもあるなど、これまで十分な修繕がなされていないことも明らかになりました。

審査の中で、教育委員会から「図書館を開館し続けるために議会への報告が遅れてしまった」という答弁があり、できるだけ閉館したくはなかった様ではありますが、それは報告自体が遅れた理由にはならず、また3月にまとめられた渋谷区一般建築物長寿命化計画においても、来年度からの改修及び建替えが「検討中」とされており、その時点ですでに問題を認識していたことがわかっています。

「地域の図書館はなくさない」明確なメッセージの発信を

今回の問題は、まず教育委員会が渋谷図書館の状況について区民や議会に説明、報告、そして「地域の図書館を残す」という明確なメッセージが発しないまま、図書館の廃止ありきのような条例案を提出したことにあります。私も文教委員として現地を視察し、確かに渋谷図書館を今のまま運営し続けることは困難だと考えます。しかし、だからこそ問題を把握した段階で今後どのような方法で地域の図書館を存続させるのかを、地域住民のみならず、利用者を含め意見を聞く機会を持つべきであったと考えます。

また、これまで適宜補修はしてきたとは言うものの、雨漏りによる天井や壁の損傷、床のカビの発生など施設の維持管理はあまりにも酷いもので、今の様になるまで引き延ばしてしまったことは、区、教育委員会として判断を誤ったと言わざるを得ません。これらのことから、渋谷区議会文教委員会として渋谷図書館の廃止条例について全会派一致で審査の継続を決定しました。

公共施設の維持が課題の中、残すべき施設がある

 公共施設の老朽化が指摘されて十数年たち、渋谷区においても複合化など様々な形での施設の維持管理の在り方が模索されてきました。そのような中でも図書館は区民を中心に多くの人々にとって知的財産の集積される重要な場所であり、世代を超えた様々な人がコミュニティを育むかけがえのない場でもあります。

今回、区と教育委員会が何の青写真も示さないまま、当該図書館の廃止条例を提案したことは非常に遺憾ですが、区議会からの厳しい意見を受け、区民のみならず幅広い関係者と協働し、この先の渋谷図書館のあり方を創造すべきだと考えます。

是非、この問題を一地域の問題だと捉えず、渋谷区の他の地域の皆さまも今後の公共施設のあり方に関心をお持ち頂き、一緒に考えてほしいと思います。

↑渋谷図書館  レンガ造りの趣ある建物

雨漏りにより天井がはがれてしまっている場所も

老朽化により故障した地下の空調ボイラー

かわいい絵本コーナー。思い入れのある人も多いはず

建物が隣地との擁壁に接続する構造から改修が困難という話も

はるた学区政レポートVol.65より

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