活動ブログ

みらいステップなかの視察(1)

4月15日に 中野区に2月に開設された複合施設「みらいステップなかの」を視察しました。

この施設は以下の3つの施設が中学校と併設される形で建設されました。

中野区子ども・若者センター
中野区立教育センター
中野区立中野東図書館

あわせてこの4月から中野区児童相談所も設置されています。

今回は、渋谷区において渋谷図書館廃止条例に合わせ、区長から広尾中学校との複合施設案が示されたことを踏まえ、隣接する中野区で、ちょうどこの2月に中学校と図書館の複合施設が開設されたので、その経緯や計画、現在の運営状況など中心に話を伺いました。

そもそもこの施設の計画は、前中野区長時代の2016年に策定された「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」に基づくもので、二つの中学校を統合するとともに老朽化した二つの図書館も統合し、新たな中学校に地域開放型図書館を整備するという計画でした。

実際に視察に行くまではこの経緯は知らなかったものの、今回視察するにあたり確認したかったことの一つが、中学校との複合化で元の図書館の規模が縮小されてはいないのかという点です。
これについては、蔵書数で元の二つの図書館がそれぞれ、6万冊と8万冊であったのに対し、新設された中野東図書館は17万冊ということで、約3万冊増えているいうことでした。

また、もう一つ気になっていたのは、以前の図書館を閉館するにあたって地域からの反対の声はなかったのかということでした。
これについては、やはり当初は特に図書館の近隣の住民から、反対意見があがっていたということですが、具体的な計画を示してから5年かけて地域住民に説明を重ね理解を得てきたということでした。
加えて、老朽化した二つの図書館も昨年の10月まで会館をしていたということで、実施的に図書館が閉館されていた期間は4か月で、その間も学校の窓口でネットで予約した本の受け取りや返却ができたということで、比較的スムーズに移転ができたのではないかと考えます。

これらの背景からこの中野東図書館の整備の経緯も老朽化した図書館への対応という点では、長谷部区長が示した複合化案と同じですが、渋谷図書館の老朽化はよりひどく、昨年から休館状態であった中で図書館の廃止条例が提案されその流れで唐突に出てきたという点では、中野のが10か年計画で示してきたものとは大きく違うものだと言えます。

昨年11月の第四回定例会で渋谷図書館の廃止条例が提出され、当時の文教委員会でもあまりに唐突な提案に全会一致で継続となりましたが、その後2月からの第四回定例会で広尾中との複合化案が示され、自民、シブヤ笑顔、公明などの議員により賛成多数で可決されています。

今回、このような他自治体の複合施設を視察することで、私たち立憲民主党渋谷が複合施設案に前向きなのか捉えられるかもしれません。確かに地域に図書館を存続させることを示したことは最低限の条件としてはよかったことで、その案の一つとしての複合化を全く否定するものではありませんが、現在の渋谷図書館自体や、あの場所、渋谷図書館という名称に思いのある方たちの声を十分い聴くことなく、廃止条例を提出し、さらに場当たり的に学校との複合化案を出してきた経緯については適切ではないと考えます。
速やかに図書館の再生備に進むことも大切かもしれませんが、そもそも行政にはこれまでのメンテナンスの不備が指摘されてきた中で、是非、地域住民と利用者の声を聞く場を継続的に作り、あらゆる観点から今後のあり方を検討することを求めます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。