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【平成26年第2回定例会一般質問】 新国立競技場建設及び周辺整備について

6月の議会で質問した内容について、区政レポートVol.20から転載します。

環境配慮の五輪はどこに。1692億円8万人の施設は必要?
1新国立競技場建設及び周辺整備について
東京オリンピックのメイン会場の一つである、国立霞が丘競技場の建替えについては、コンペ自体のあり方や、巨大で奇抜なデザインが周辺の景観を壊す、また本当に8万人収容の常設スタジアムが必要なのかなど、多く異論が上がっています。また、基本設計案によると、建設費は解体費用を含め総額1692億円と発表されています。
オリンピック・パラリンピックの開催期間は合わせて40日程度。運営主体のJSC(日本スポーツ振興センター)は大会後、スポーツだけでなくコンサートやイベントを行って年間約4億円の収益を上げていくとのことですが、維持費自体は46億円で、これまでの9倍以上に跳ね上がります。
私はオリンピック・パラリンピック招致には賛同していますが、景観や環境、建設費、維持費などのコストなどを考えれば現在の国立競技場は改修して利用するか、ロンドン五輪のように、大会期間だけ利用する仮設席を設置して、大会後にダウンサイジングできるようにすべきではないかと考えます。
(1)国立競技場自体は、国の施設ですが、渋谷区に隣接する施設で、渋谷区の年間予算の倍以上を投じて建設するものであり、桑原区長自身も国に対し一人の納税者ですので、この新国立競技場建設のあり方についてどう考えるか、費用、デザイン、建築の方法について、区長の所見をお伺いいたします。
 
5月28日にJSCから発表された、新国立競技場の基本設計案で、渋谷区が関係する大きな問題としては、甚大な影響が考えられる近隣の住環境の問題です。
 まず、日影についてです。もともとこの地区は景観を守るための風致地区で20メートルの高さ制限がありましたが、H25年5月に東京都の再開発促進計画で75メートルまで緩和されました。基本計画案では当初の高さ75メートルから70メートルに5メートル下げられましたが、外苑西通りに隣接するマンションでは午前中はほとんど日が当たることがなくなるとのことです。
また、騒音の問題もあります。開閉式遮音装置という、いわゆるテントのような屋根を付け、スタンドの入口に建具を設置することによって遮音性能を向上させるとのことですが、固定屋根の一部はコンクリートではなく透明材であり、この遮音性は書かれていません。現在の国立競技場でのイベントでさえ、かなりの騒音、振動があるとのことですので、8万人のロック・コンサートなどが行われれば、その影響が懸念されます.
競技場の外でも、外苑西通り側に歩道デッキに上がる階段があり、地上とデッキ上に人だまりができる空間があること、また、345台が入る駐車場の出入口も、渋谷区側の外苑西通りに設置されるということで、騒音だけでなく、道路渋滞、大気汚染も危惧されます。
これらについて事前に周辺住民に説明なく、基本設計がなされ、6月13日の住民説明会では多くの方が怒りの声をあげていました。
 
2)そこで渋谷区としてまず、JSCがこれらの環境の変化が懸念される問題に対し調査を行っているのかということ。また、行っているのなら、区民に対して詳細なデータの開示を求めるべきだと考えます。さらに、もし行っていないのであれば、実施設計の前に、速やかに調査、検証を求めるべきだと考えます。区長の答弁を求めます。
3)区民の生活と財産を守るために、渋谷区として渋谷区側の立体歩道をセットバックして「四季の庭を」残すこと、また、地上階段及び駐車場の出入り口の移動を求めるべきだと考えますが、区長の答弁を求めます。

区民の生活と財産が担保されての五輪!弊害を受ける周辺住民の声を聴くべき!
 
(4)この国立競技場及び明治公園を含む明治神宮外苑地区は、渋谷区では神宮前と千駄ヶ谷の各一部、約1万3600人を対象とした、広域避難場所になっています。工事期間中は現在の国立競技場の解体が約1年、明治公園を含んだ新国立競技場の広さは、神宮外苑地区の約4分の1の広さになり、この広さが約3年半にわたり避難場所として使えなくなるということになります。
これについて東京都から渋谷区へ説明があったのか。ないのであれば回答を求めるべきと考えます。区長の答弁を求めます。
(5)住民説明会については、以前、五輪・パラリンピック対策特別委員会でJSCの担当者に、建築物の高さの2倍の範囲(2H)の近隣関係住民だけではなく、千駄ヶ谷、神宮前地区に広範に案内をするように求めましたが、結局2Hの140メートルの範囲にだけポスティングしたとのことです。
 JSCは、また説明会を行うとのことです。渋谷区で影響が及ぶと考えられる、千駄ヶ谷全域と神宮前1~4丁目の全戸ポスティング、加えて、区ニュース、ホームページでの周知を行うべきだと考えますが、区長の所見をお伺いいたします。
 
【区長答弁】
桑原区長は「このことは五輪・パラリンピック対策特別委員会と、まちづくり協議会を設置して決める。ここで答えることではない。」という趣旨の、本会議質問の意義を根本から覆す、全くあきれた答弁をしています。そもそも、議員は全員が全委員会に所属するわけではありません。
区長は正面から答えるべきです。

右は新国立競技場CG 緑が消えコンクリートのデッキと白い壁が…
(槇総合計画事務所作成 神宮外苑と国立競技場を未来へ手渡す会HP

http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/ より)

 

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