少し前になりますが、11月9日から11日まで、区民環境委員会で東北の仙台市、山形市から、北海道函館市に視察に行ってきました。
委員長として報告書をまとめましたので、数回に分けて転載します。
平成28年11月9日
区民環境委員会行政視察 仙台市
1.まちづくりリノベーションについて
仙台市は人口減少と地域経済の低迷から、都市として様々な問題を抱えている。
その一つは、東日本大震災後の復興気運から起きたミニバブルが終わり、特に駅前以外の周辺地域が疲弊、活力低下しているという問題がある。さらには仙台市がこれまで担ってきた、東北地方における人口流出を防ぐ「ダム機能」としての役割を、近年、果たせなくなってきたという問題がある。
そこで「民間主導による公民連携」という形で、新しいコンテンツを生み出すことにより、現在、発生している民間の空き家、空き店舗、空き地などの遊休不動産、さらには公共空間を有効に活用するリノベーションまちづくり事業を始めた。
この事業は地域経営の課題を解決し、賑わいの創出することが主な目的だが、同時に、地域の次世代人材を育成すること、また、公共空間における行政コストの軽減なども狙いとして掲げられている。
これまでの取り組みとしては、平成26年度の準備期間を経て、翌、平成27年度に地元の東北工業大学に委託しリノベーション啓発セミナーを開催するとともに立ち上げられた、せんだいリノベーションまちづくり検討委員会から「せんだいリノベーションまちづくり計画」が提出された。
その後、平成28年度に計画の実行段階に入り、リノベーションまちづくりの専門家、清水義次氏に委託しセミナーやリノベーションスクールを開催し、その取り組みの中で、「せんだいリノベーションまちづくり実行委員会」が組織される。
そこからさらに、せんだい都市戦略会議という新たな会議体もつくられ、今後は、そこから、まちづくりの担い手の発掘とその中での実事業化につながるセミナー開催などが予定されているということである。
これらのリノベーションスクールやセミナーのほか、具体的な動きとして、国分町の肴町公園を開放して行われたイベントや、同じ国分町のビルの空き事務室を活用してつくられた調理などができる多目的スペースについて、また、検討委員会の参加者により立ち上げられた、まちづくり会社「伊達の家守舎」と地元組織が定禅寺通りの遊歩道を活用して行ったイベントなどが紹介された。
一方、行政の役割としては、様々な会議体やイベントを後押しすることとともに、人的な交流を通して民間不動産オーナーなど、関係者の“つなぎ役”として、また、人材発掘や育成を行う裏方を担っている。
“民間主導型公民連携を進めた背景には、これまで行政が作ったメニューに市民やNPOなどの案を取り入れようとしても、うまくいかない事業が多くあった中で、思い切って「民間主導」で進めていくことで、枠にとらわれないアイディアが生まれるとともに、それに係る個人や事業者に責任感が生まれ活性化が期待でき、かつ、行政としても、民間をサポートしようという職員の積極的な参加がみられるという相乗効果を生んでいる。

